「庭のある暮らし」──家と外構が響き合う、心地よさの設計|鹿児島で豊かに住まうために

こんにちは。有村建築設計工房の有村です。
僕たちは鹿児島を拠点に、木造住宅を中心に設計を手がけています。

今日は、「庭」についてお話ししたいと思います。

家づくりを考えるとき、つい「建物の間取り」や「設備」ばかりに目がいきがちです。
でも本当に暮らしを豊かにするのは、家の外とどうつながるかなんです。

■ 庭は“余ったスペース”じゃない

「建物を建てて、残ったところに庭をつくる」
そう考えてしまうのは無理もありません。

でも僕は、庭を“残り”ではなく“主役の一部”として考えるようにしています。

たとえば、

  • リビングと一体につながるウッドデッキ
  • 窓の正面に植えた一本の樹
  • 外の空気を感じられる半屋外のテラス

これらはすべて、室内と屋外の“あいだ”をつなぐ装置になります。
ただの「庭」ではなく、「暮らしに溶け込む外部空間」になるんです。

■ 鹿児島の気候だからこそ、庭が生きる

鹿児島の家づくりには、特有の自然環境への配慮が欠かせません。
夏の蒸し暑さ、桜島の灰、強い日差し…。

でもそれは、言い換えれば「自然とどうつきあうか」を考える設計のチャンスでもあります。

たとえば、

  • 落葉樹を南側に植えて、夏は日差しを遮り、冬は光を通す
  • 灰が入りづらい、軒の深い屋根と庭の配置
  • 夜風が通る庭からの風抜きルートを計画

鹿児島の風土を味方にすることで、庭はただの景色ではなく“環境を調整する仕組み”になります。

■ 小さな庭でも、暮らしは豊かになる

「うちは敷地が狭いから、庭なんて無理ですよね?」
そんなご相談をいただくこともあります。

でも、庭は大きさだけじゃありません。

  • 幅1.5mの細長い庭
  • コの字型の家に囲まれた中庭
  • 駐車スペースの横にさりげなく設けた植栽ゾーン

こうした“小さな庭”でも、日々の生活に深い影響を与えてくれます。

窓を開けたとき、視線の先に緑が見える。
子どもが裸足で外に出られる場所がある。
休日の朝、コーヒーを片手に外の空気を吸う。

そんな時間こそが、心を豊かにしてくれる暮らしの本質だと思うんです。

■ 建築と外構は、設計段階で一緒に考える

ありがちな失敗のひとつに、「建物が完成してから外構を考える」ケースがあります。

でもそれでは、

  • 室内と外との視線のつながりがうまくいかない
  • せっかくの大きな窓の前に車が来てしまう
  • 外からの視線が気になって、結局カーテンを閉めっぱなし

なんてことにもなりかねません。

だからこそ、設計の初期段階から建築と外構を“セットで”考えることが大切なんです。
敷地全体をひとつの暮らしの舞台としてとらえることで、

  • 窓の先にどんな風景が広がるか
  • どこに木を植えると視線が抜けるか
  • どこに座って外を眺めると心地いいか

こうした細やかな「つながり」が生まれてきます。

■ 庭は、家族の記憶になる

僕がとくに庭にこだわる理由のひとつが、時間とともに家族の記憶を育ててくれる存在だからです。

  • 子どもが最初に自転車に乗った場所
  • 夏の夜に花火をした思い出
  • 愛犬が日向ぼっこをしていたスペース
  • 家族でBBQをした庭の一角

そんな何気ない風景の中に、「この家で暮らしてきた時間」が積み重なっていく。

庭は単なる外構ではなく、暮らしのアルバムを紡ぐ場所なんです。

【まとめ】

  • 庭は建物の“おまけ”ではなく、暮らしの一部
  • 鹿児島の気候風土を活かすことで、庭の設計に深みが出る
  • 小さな庭でも、暮らしの質は大きく変わる
  • 家と庭は同時に設計するのが理想
  • 庭は、家族の思い出を刻む舞台にもなる

有村建築設計工房では、外構や植栽も含めた「敷地全体の暮らしの提案」を大切にしています。
家と外が自然につながる設計に興味がある方は、ぜひご相談ください。

あなたの暮らしにぴったりの“庭のある家”、一緒に考えてみませんか?

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