鹿児島で高気密高断熱は必要なのか??

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鹿児島県は日本の本土の中では最南端に位置する南国と言われている地域なのは鹿児島県民ならだれもが知っていることでしょう。
そんな南国と言われている温暖な気候の鹿児島県には「高気密高断熱は必要ない」「鹿児島にはオーバースペックで無駄」と言う人も少なからずいらっしゃいます。
残念ながら僕はその意見には反対の立場に立っています。

鹿児島だからこそ高気密高断熱の家は必要だと僕は考えています。

その理由を順番に解説をしていきたいと思います。

鹿児島に高気密高断熱が必要な理由

高気温、高湿度をシャットアウトする為

まず一つ目は高気温と高湿度をシャットアウトする為です。

ご存じの通り鹿児島県は日本の本土の南端に位置していて周囲を海に囲まれた地形になっています。
県部中央には大きく錦江湾が入り込んでいる為、湿気がすごくて夏はムシムシして不快だという人も少なくないと思います。

そして南国と言われる所以の太陽からの日差しもとても強く、最近では最高気温が35度を超えるような日が長く続くなんてこともザラにあります。

高気密高断熱の家はこの暑すぎる気温と不快な湿気をシャットアウトするのに最適です。
高断熱にすることで外の気温を気にすることなく、室温を快適な温度で維持しやすくなります。
そもそも南国の設計は窓を開け外の空気を取り込みながら快適な環境を過ごすことを前提とされている場合が多いのですが、鹿児島県の場合はそもそも桜島の火山灰が降るという特殊な条件下にあるので、普段から気軽に窓を開け放つことができずに閉めっぱなしがほとんどなので南国的な設計は向いていないというのが本当のところです。
その証拠に古い武家屋敷などは火山灰が降ると家の中まで灰が入ってきてザラザラになってしまているのを見かけます。
だからこそ窓を閉めたまま空調を利かし、尚且つ外の温度の影響を受けづらい高断熱の家が適していると言えます。

また、高気密の家は第一種換気が多く使用されています。
第一種換気とは、機械で外から新鮮な空気を得る【給気】と外へ室内の汚れた空気を捨てる【排気】をまとめて管理する設備のことをいいます。
この設備は使うメーカーにもよりますが、外の気温と内の室温を一定に保つ効果と湿度を一定に保ってくれる機能を搭載した物あります。

                                                     マーベックス社HPより引用

こうすることで暑い夏場でも涼しくした部屋の室温を換気で損なう必要もないですし、除湿した空気が外の湿気に侵されることが無くなり快適に過ごすことができるようになります。

実はめちゃくちゃ寒い鹿児島県

南国鹿児島と言われますが、冬場はしっかりと寒い。
それが鹿児島県です。
しかし、日本の基準では温暖な気候と言うことであまりいい断熱になっていません。
鹿児島の平均気温は確かに高めですが、冬場は鹿児島市でも気温は氷点下まで下がりますし、枕崎や指宿と言った県南端の方でも気温一桁と言うこともぜんぜんあるのが鹿児島県です。

特に鹿児島県で高気密高断熱の家が必要な理由が「入浴中の死亡率」が全国で18位鹿児島県の交通事故死亡者の約2.5倍に当たる人が亡くなっているからです。

全国で18位と聞くとそこまで高くなさそうな気もしますが、死亡率が一番低い県は東北などの北に面する県になります。上位のほとんどは東京より南の県になっているんです。
特に鹿児島は冬はもちろん寒いですが、暖かな日があるのもこれまた事実としてありその中で全国18位は僕はものすごく高い確率だと思っています。

さらに先ほど軽く触れましたが、鹿児島県の冬は寒い日はとことん寒いですが、暖かい日は小春日和と思えるくらい暖かい日もあるということです。
もし高気密高断熱ではない家に住んでいいたら、寒い日に合わせて暮らしていたら暖かい日は空調のかかりすぎで暑く、暖かい日に合わせると寒く暮らすことになりますし、何より毎日の温度変化に合わせて今日はどういう空調にしようと考えるだけでも時間がもったいないです。

高気密高断熱の家は外の気温に左右されない家づくりなのでそのあたりもあまり気にすることなく過ごすことができ、まさに鹿児島県の風土に合った家づくりとも言えます。

鹿児島に適した断熱性能は?

ここまで高気密高断熱の家のお話をしてきましたが、ではどこからが高気密高断熱の家なのか?と気になる方も多くいると思います。
ここからはあくまでもぼく個人の設計者としての意見ですが、断熱等級6でUa値0.46、C値1.0以下が高気密高断熱の家の条件だと思っています。

特にUa値の数字を見て「えっ!?」と思う方もいらっしゃると思いますが、僕がここ数年設計してきた中で、導き出した回答がこのUa値0.46がベストと言うことになりました。

ではまだUa値0.60断熱等級5(ZEH基準)が高気密高断熱と言われているラインだと思います。
しかしこれでは全く足りていないというのが僕の結論です。

理由は簡単です。
Ua値0.6だと室温を一定に保つのが断熱性能的に非常に困難であるということです。

大前提の話として、断熱とは「家の室温を快適な温度で最大限保つ」ことが大前提にあります。
Ua値0.6断熱等級5はどうしても家を建てるエリアごとにムラができやすいと僕は感じました。

まったく同じ断熱等級5にも関わらず、エアコン入れても中々効かない家もあればすぐ効く家もあったり、空調を切ったも一定の室温を保つ家もあればすぐに冷える家もありました。
新築で家を作る以上このムラは無視できるレベルではありません。

なので有村建築設計工房という設計事務所としては、断熱等級5Ua値0.6はあくまでも家の性能としての最低値(国の基準は断熱等級4Ua値0.87が最低基準)として、高気密高断熱の家は断熱等級6Ua値0.46からと定めています。
断熱性のにはもちろんまだ上の数字がありますが、コストパフォーマンス的にもUa値0.46がベストかなと言う判断です。
ここから上は自己満足や断熱にとことんこだわりたい趣味の範囲と言う認識です。

もちろんただ数字を追いかけてUa値0.46にしても意味はありません。
断熱性能はもちろんですが、空調設計やパッシブ設計も快適な高気密高断熱の家を建てるには絶対に必要です。

最後に

鹿児島県は温暖な気候だから断熱にこだわらなくていいと言われることがあります。
ハウスメーカーでは大手ハウスメーカーの性能向上の流行を受けて高断熱化を売りにしてきた背景があります。
要は数字だけ追いかけた断熱性能の高い家たちです。

それだけでは快適な高気密高断熱の家にはなりません。
快適で過ごしやすいく、デザインのいい暮らしをしたい方はぜひ有村建築設計工房に一度ご相談ください。

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