
普段はリモコンを押せば当たり前のように映るテレビ。
ところが、新築や中古住宅を購入していざ入居すると「テレビが映らない!」という事態に直面する人は意外と多いんです。
原因は単純で、アンテナが最初から付いていないこと。
最近では、コスト削減やネット視聴の普及を理由に「アンテナは標準装備ではない」という住宅会社が増えています。
配線すらされておらず、あとから工事を頼んで思わぬ出費…なんてケースも珍しくありません。
そもそもアンテナは必要?不要?
まず考えるべきは「自分の生活にアンテナが本当に必要かどうか」です。
大きく分けると次の二つに絞られます。
- 光回線でテレビを視聴する人
- テレビを完全に必要としない人
光回線でテレビを見る人
ネット回線と一緒にテレビを契約する方法です。
アンテナ工事が不要になり、外観を損ねないというメリットがあります。
ただし、光回線のテレビサービスはオプション契約になるため、月額数百円〜1000円以上の費用がかかります。
長い目で見れば「工事費を払う方が安い」ケースもあるので、自分がどのくらいテレビを利用するかを考えて選ぶのが大事です。
テレビが完全に不要な人
そもそもテレビを置かない人はアンテナも不要です。
ただ「しばらくは見ないけど、いつかニュースくらいは欲しくなるかも」という人は多いもの。
完全に不要と割り切れる人は意外と少数派かもしれません。
アンテナ工事に消極的な会社は要注意
注文住宅でアンテナ設置を依頼しても、住宅会社が渋る場合があります。
理由はおおよそ三つ。
- 面倒だからやりたくない
- 利益が少ないから売りたくない
- 知識がなくて分からない
面倒だからやりたくない
アンテナは種類やデザイン、設置場所によって条件が変わるため、調べて見積もりを出すのは正直手間です。
「うちはいつもの仕様で建てたい」という会社ほど、この手の要望を嫌がります。
利益が少ないから売りたくない
アンテナは3万円前後の小さな商材。
利益率が低いため「他社でやった方が安いですよ」と断る会社もあります。
こういう会社は「自分たちが売りたいものだけ積極的に勧める」傾向があるので注意が必要です。
知識がなくて分からない
最も困るのはこのタイプ。
アンテナの種類や向き、電波の入り方を知らないため、設置しても映らないリスクを恐れて避けてしまいます。
鹿児島でいえば紫原や城山、姶良なら北方の山、鹿屋なら高隈山系など、地域ごとに中継局の位置があります。
古い住宅地ではアンテナが同じ方向を向いているのを見かけますが、あれはみんな電波塔の方向に合わせているからです。
これを知らない担当者に任せるのは不安ですよね。
アンテナは標準であるべきだと思う
ここまで「付ける・付けない」の話をしてきましたが、僕の考えとしてはアンテナは標準で設置されるべきだと思っています。
もちろん今はスマホやネットが主役です。
それでも災害時などを考えると、テレビの存在はまだ無視できません。
アンテナのない家は、極端に言えば「トイレの部屋は作ったけど便器は用意してません」と言われているようなもの。
アンテナを実際に使うかどうかは施主の自由。
設計者や施工者はあくまで“インフラを整える”ことに徹し、不要なら減額すればいい。
そういう柔軟さこそ、本来の家づくりに必要だと考えています。