
こんにちは、有村建築設計工房の有村です。
「家を建てたい。でも予算が心配で、一歩踏み出せない」——そんな声を、僕たちはたくさん聞いてきました。
家づくりに関する情報があふれる中で、あれもこれも叶えたいと考えていくうちに、いつの間にか予算を大幅にオーバーしてしまう。そんな状況に陥るご家族も少なくありません。
でも、本当に「全部盛り」の家でなければ幸せになれないのでしょうか? 僕たちは、背伸びせずに心地よく暮らせる“ちょうどいい家”こそ、後悔のない家づくりの鍵だと考えています。
今回は、予算に不安がある方でも安心して前に進めるように、「ちょうどいい家」をつくるための設計の工夫や考え方をご紹介します。
面積を小さくしても、豊かな家はつくれる
「家族3人だから最低30坪は必要」など、家の広さには“なんとなく”の目安が語られることがよくあります。でも、本当にその広さが必要でしょうか?
実際には、家の広さよりも、空間のつながりや使いやすさが暮らしの満足度に直結しています。
たとえば、無駄な廊下をなくしたり、LDKと水回りの動線をまとめたりすることで、面積を減らしても使い勝手のよい間取りが実現できます。
また、視線が抜けるように配置を工夫すれば、実際より広く感じられる空間も可能です。
「面積を減らす=我慢」ではなく、本当に必要な場所を丁寧につくること。それが、設計事務所が得意とする設計の考え方です。
建材・設備を“見た目”だけで選ばない
キッチンやお風呂、外壁材など、選ぶものによってコストは大きく変わります。
最新の設備や高級素材には確かに魅力がありますが、長く快適に暮らすために本当に必要かどうかは冷静に判断したいところです。
たとえば、窓の断熱性能や外壁の耐久性は、暮らしの質やメンテナンスコストに直結します。一方で、見た目だけの豪華さや流行のアイテムは、意外と使わなくなったり、10年後には古く感じられたりすることもあります。
「かけるべきところにお金をかけ、引き算すべきところは引く」。 設計者として、必要な性能と過剰なスペックの違いを見極めるお手伝いをしています。
必要なのは“全部ある家”ではなく“自分たちに合った家”
SNSや住宅展示場で見た「理想の家」。素敵ですよね。 でも、それが「自分たちにとっての最適な家」とは限りません。
「吹き抜けが欲しい」「土間が欲しい」「シアタールームが欲しい」など、やりたいことが増えていくのは当然です。 でも、どれも実現しようとすると、コストは膨らみ、家全体のバランスが崩れてしまいます。
大切なのは、自分たちの暮らし方に本当に必要な機能や空間を見極めることです。
僕たちは打ち合わせの中で、「その希望の背景にある暮らし」を一緒に整理しながら、優先順位をつけるお手伝いをしています。
設計者と一緒に考えると“無理のない最適解”が見えてくる
住宅会社の多くが「決まったプラン」をベースに調整していくのに対し、設計事務所では1組ごとにゼロからプランを考えます。
その過程で、お客様のご要望や不安、予算のことまで含めて一緒に向き合っていきます。
要望を全部詰め込むのではなく、 「こうしたらもっとラクになる」「こうすればコストが抑えられる」など、設計と予算のバランスを見ながら最適解を探ることができます。
だからこそ、住んでから「こうしておけばよかった」と思うことが少なくなるのです。
まとめ:家は「高いか安いか」ではなく「合っているか」
家づくりを考えたとき、価格はどうしても気になるポイントです。
でも、「安ければ正解」「高ければ満足」ではありません。
大切なのは、自分たちの暮らしに本当に合っているかどうか。
延床面積が大きくなくても、豪華な素材がなくても、動線がよくて居心地がよく、家族の距離感が心地よい。そんな“ちょうどいい家”は、設計の力で実現できます。
僕たち有村建築設計工房では、お客様の予算に寄り添いながら、後悔のない家づくりをご提案しています。
「予算が不安で家づくりをあきらめかけている」という方も、ぜひ一度ご相談ください。一緒に、無理のない最適な暮らしを描いていきましょう。