令和6年 能登半島大地震と鹿児島でできること。

令和6年1月1日、能登半島を震源とする大地震が起こりました。
被災された方々にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方々には心よりご冥福をお祈りいたします。

今回の地震で多くの家屋が倒壊し、多くの方がその犠牲になったと報道も見受けられます。

ご家族が多くの時間を過ごし、家族を守るはずの家が突然凶器に変わる。
それが地震の怖いところです。

しかし、家は地震に対して対策をすることが必ずできます。
新築だろうと今建っていようと関係ありません。

僕の設計事務所は鹿児島県にありますが大きな地震は今、いつどこで起きるか分かりません。

今一度、安全な家づくりにつてい考える機会にしましょう。

鹿児島県で起きた大地震

平成に入ってから今までで過去に震度5弱以上の発生した地震は以下の通りです。

1997年3月26日 震度5強 震源地:さつま町 鹿児島県北部地震
1997年4月3日 震度5弱 震源地:阿久根市
1997年4月5日 震度5弱 震源地:さつま町
1997年5月13日 震度6弱 震源地:薩摩川内市
2017年7月11日 震度5強 震源地:鹿児島湾(錦江湾)

たった30年強の間に5回も地震が発生しているのです。
北部地震では被害総額200億円にも上る災害だったと記録がありました。

今回の能登半島地震の要因は断層に多くの地下水が入った結果、流動的となり大きく断層がずれて大地震に繋がったとの考えが多いようです。

鹿児島県の地震の多くも活断層による地震が多くいつ能登半島のような大きな地震が発生してもおかしくないと考えてもいいかもしれません。

建築基準法は家を守ってくれない

日本で建物を建てる上で建築基準法は建物を建てる上でだれもが必ず守らなければならない建物についての法律が記載されています。

建築基準法 目的
第一条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする

これが建築基準法が制定される上で目的となっています。

この中で家に関して大きく関与してくるのは、
建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めていること。
国民の生命、健康及び財産の保護を図ること。
この2点です。

そして建築基準法の中ではおそらく家自体は財産と考えられていないという事です。

なぜかというと建築基準法の建物の構造としては1度の大地震に対して倒壊しないことが前提とされているからです。
これは家が壊れないという意味ではなく、家が例え住めないほどに壊れたとしても倒壊しなければ中に住んでいる人が避難する時間を確保することができ、生命を保護することが目的になっているからです。

ちなみに現在の建築基準法で言いますと
震度6強程度の地震に対して【1回だけ】倒壊、崩壊しないことを指しています。
一度大地震にあった家は次同じ規模の地震が来た場合、耐えてくれる保証はどこにもありません。
熊本県の地震では震度7に2回襲われ二度目の地震で倒壊して家が数多く存在していました。
これが日本の構造の最低基準になっているのです。

※このような形でも倒壊してないので建築基準法上守れていたことになります。

壊れづらい家を作るには耐震等級3だけ

構造を考える上で耐震等級というのがあります。
耐震の強度に対して等級認定を受けることで証明することができます。

耐震等級には大きく1~3の三項目があり、細かく構造強度の確認の仕方で5段階で区別することができます。
さらに同じ耐震等級3でも確認の仕方で大きく強度に違いが出てきます。
下の図が強度の一覧になります。

建築基準法の最低強度を1とした時に何倍違うかを表しています。
ここでてくる倍率は耐震等級の1.25倍と1.5倍の倍率とは別物です。

同じ家を作る為の構造でも確認の仕方でこれだけ強度が変わってきますので一言で耐震等級3という話をしてもこれだけの差がある事を忘れてはいけません。
これはあくまで簡単な比較なので必ずしもこの数字になるとは限りません。

また、こちらの図の右側の欄を見て頂くとわかる通りこれだけの強度の検討が構造計算以外は抜け落ちています。

構造計算とは強要応力度計算のみを指して言います。
それ以外の計算は構造計算ではなく壁量計算もしくは性能表示計算と言って構造計算を簡易的にした簡易計算になります。
ハウスメーカーや工務店の営業さんの中にはたまにこの簡易計算も含めて構造計算と勘違いしている人いらっしゃるため注意が必要です。

家が壊れることなく大地震後も住み続けるためには許容応力度計算による耐震等級3を取得することが大切です。


最後に

ここ数年の間に大きな地震が頻発しています。
北は北海道から南は九州まで次にどこで大地震が起きるかはわかりません。

新しく作る家だからこそできる対策はたくさんあります。
その場しのぎの対応ではなく事前にしっかり検討を重ね壊れない家づくりして家族の命を守る対策をしていきましょう。

有村建築設計工房は鹿児島、姶良、霧島で多くの家づくりに困った人たちのご相談に乗っております。
有村建築設計工房で設計する家は全棟構造計算をおこなっております。
安心して末永く暮らしていただける家づくりをおこないます。

また、今建っている家の木構造補強設計もおこなっています。
耐震に不安がある方や新耐震以前に建った家は強度が著しく足りていないことが多くありますのでぜひご相談ください。

ご連絡お待ちしております!

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