住宅会社の紹介会社をおススメしない理由

家づくりは、一生に一度の大きな決断。
だからこそ「信頼できる住宅会社を選びたい」と悩む方は多いと思います。

最近は、住宅会社を紹介してくれるサービスも増えていますが、設計事務所を営む僕の立場から言うと、こうした紹介会社はあまりおすすめできません

実際、僕のところにも「紹介会社を使ったけど、なんだか納得できなかった」「自分に合う住宅会社が見つからなかった」というご相談がよく寄せられます。

この記事では、なぜ僕が住宅紹介会社をおすすめしないのか、その理由と家づくりで大切にしてほしいことをお伝えします

「家づくりで後悔したくない」「自分に合う住宅会社を自分で選びたい」――そう思う方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
何か気になることがあれば、気軽に僕にご相談いただけたら嬉しいです。

住宅会社の紹介会社とは?

最近、テレビやネット、SNSなどでもよく目にするようになった“住宅会社の紹介サービス”。
簡単に言うと、「家づくりを考えている人」と「住宅会社」をつなぐ、いわば“仲介役”のような存在です。

利用者としては、「家を建てたいけど、どの会社がいいか分からない」という悩みを相談すると、紹介会社がいくつか住宅会社をピックアップして紹介してくれます。
相談は無料だったり、専門スタッフがアドバイスしてくれたりと、一見するととても便利に思える仕組みです。

実際に、住宅会社の比較ができたり、相談に乗ってもらえたりするのは、忙しい方や初めて家づくりをする方にはありがたいサービスだと思います。

ただ、この「便利さ」や「お得さ」の裏に、なかなか見えにくい“落とし穴”があるのも事実です。
僕自身、設計事務所としてたくさんのご相談を受ける中で、「紹介会社を通したけど、思ったように進まなかった」「選択肢が少なく感じた」という声を何度も聞いてきました。

次の章では、紹介会社の表向きのメリットと、僕が感じる本当のところについて、さらに深掘りしていきます。

紹介会社のメリット

まず、住宅会社の紹介会社を利用することで得られるメリットについて整理してみます。

一番大きなポイントは、「自分で何社も調べて回る手間が省ける」ということです。
特に、家づくりが初めての方にとっては、どんな会社があるのかすら分からない、何を基準に選べばいいのか迷ってしまう、というのが本音ではないでしょうか。

紹介会社を利用すれば、自分の希望や予算を伝えるだけで、条件に合った住宅会社をいくつか選んで紹介してくれます。
また、住宅会社とのやり取りや、スケジュール調整もサポートしてくれる場合が多いので、「とりあえず相談だけしてみたい」という人にもハードルが低く感じるかもしれません。

さらに、専門スタッフがついて、「あなたに合う会社はこちらですよ」と客観的なアドバイスをくれる点も、安心材料の一つだと思います。
中には、「中立的な立場で比較します」「しつこい営業はありません」とうたっているサービスもあります。

ここまで読むと、「紹介会社ってすごく便利そうだな」と思うかもしれません。
確かに、上手に使えば、住宅会社探しのスタートラインとして役立つケースもあります。

でも——
実はこうした“表面的な良さ”の裏側に、見落としがちなデメリットや落とし穴が隠れていることも多いんです。

次は、僕が「紹介会社をあまりおすすめしない理由」を、実体験も交えながらお伝えしていきます。

僕が紹介会社をおすすめしない理由

ここからは、僕自身がなぜ住宅会社の紹介会社をおすすめしないのか、その理由をお話しします。

1. 紹介される会社は「提携先」だけ

まず大きなポイントとして、紹介会社が紹介してくれるのは「提携している住宅会社」だけです。
つまり、どんなにあなたの希望や条件にぴったり合う会社が他にあったとしても、提携していなければ紹介されることはありません。

後で聞く話の中にも、「紹介会社から紹介された中で決めてしまったけど、後から他にも良さそうな会社があると知った」という声は意外と多いです。

2. 本当に「中立」なのかは分からない

紹介会社は「中立的な立場でご案内します」とよく言いますが、現実には紹介料(紹介手数料)というビジネス上の仕組みがあります。
紹介会社は、住宅会社から手数料を受け取ることで成り立っています。
大手の紹介会社は、紹介手数料の上乗せは企業に対して禁止しているところもありますが、実際は何にいくらかかっているのか分からないのが実態です。
大きな声で言えませんが、僕が勤めていたことのあるハウスメーカーや工務店の中でそういうことをしていると話を聞かされたことがあるのは事実としてあります。

また紹介会社側の事情で、どうしても一部の会社やプランを強くすすめられることもあるケースもあるようです。

3. 情報が限定的・偏っていることが多い

紹介会社で得られる情報は、基本的にその提携先のものだけです。
口コミや実際の建築実例、細かい施工の質など、リアルな情報まではなかなか手に入りません。

紹介する立場上、相手の会社のネガティブな情報はほぼもらえないと言っていいでしょう。
僕が紹介してお金をもらう立場なら絶対に言わないと思います。

そういう意味ではどうしても偏った情報になりやすいです。

4. 自分に合う会社に出会いづらくなる

住宅会社選びは「相性」がとても大切です。
でも、紹介会社を経由すると、相性のいい担当者と出会えないケースがよくあります。

これは紹介会社から紹介先に連絡が行き、連絡をもらったハウスメーカーは会社の中にいる担当者からランダムに担当を付けるからです。
相性が悪かったというだけでは、なかなか担当を変えてほしいというのは気が引けますよね。

紹介会社に頼らず理想の住宅会社と出会う方法

「じゃあ、紹介会社を使わずにどうやって住宅会社を探せばいいの?」
そう思われた方も多いと思います。
ここでは、僕が実際にお客様にアドバイスしている“後悔しない住宅会社の探し方”をお伝えします。

1. いきなり住宅展示場に行かない

家づくりを考え始めた方の中には、「とりあえず住宅展示場に行ってみよう」と思う方も多いですが、僕は最初の段階で展示場に行くのはあまりおすすめしていません。

その理由は、住宅展示場に並んでいるのは、基本的に大手ハウスメーカーばかりで、本当はもっと多様な選択肢があるからです。
また、展示場のモデルハウスは、実際の標準仕様よりもずっとグレードが高くなっている場合がほとんど。
初めての方が行くと、夢がふくらみすぎて冷静な判断ができなくなったり、しつこい営業を受けて流されてしまうこともよくあります。

まずは住宅展示場ではなく、「自分たちがどんな家に住みたいか」「どんな暮らしがしたいか」を家族でじっくり話し合い、情報収集から始めることをおすすめします。

2. SNSや口コミサイトで情報収集をする

最近は、InstagramやYouTube、ブログなどで、実際に家を建てた人の体験談や失敗談、間取りの工夫など、リアルな情報がたくさん発信されています。
こういった情報を参考に、自分たちの価値観やライフスタイルに合った家づくりのイメージを膨らませてみてください。

3. 地元の設計事務所や工務店に相談する

ネットの情報だけではわからない部分も多いので、地元で評判の良い設計事務所や工務店に気軽に相談してみるのもおすすめです。
直接話をすることで、その会社の考え方や得意なこと、家づくりに対する姿勢が見えてきます。

僕の事務所でも、家づくりに関する相談だけでも大歓迎です。
「まずは話を聞いてみたい」「何から始めたらいいのか分からない」という方も、お気軽にご相談いただければと思います。

4. 複数の会社とじっくり話して比較する

いきなり1社に絞るのではなく、いくつかの会社と話してみることで、「自分たちに合うかどうか」を冷静に見極めることができます。
それぞれの強みや雰囲気、担当者との相性も比較してみてください。

家づくりは情報を集めて、自分たちで納得できる選択肢をじっくり探すことが大切です。
焦らず、楽しみながら家づくりのスタートを切ってもらえたら嬉しいです。

最後に

家づくりは、人生の中でもとても大きなプロジェクトです。
だからこそ、「どんな家を建てたいか」「誰にお願いしたいか」を、自分たちでしっかり考えて、納得した上で進めてほしいと僕は思っています。

便利そうに見える住宅会社の紹介会社も、実は選択肢が限られていたり、本当に自分たちに合う会社に出会いづらかったりすることが多いのが現実です。
家づくりは誰かに選んでもらうものではなく、自分たちでじっくり情報を集め、比較しながら選ぶものです。

僕の設計事務所でも、
「何から始めたらいいのかわからない」
「自分たちに合う住宅会社の探し方を知りたい」
「とりあえず家づくりの相談だけしたい」
そんなご相談をよくいただきます。

家づくりに悩みや不安はつきものですが、焦らず一歩一歩進めていけば大丈夫です。
もし今、家づくりに迷っていたり、どこに相談すればいいのか分からない場合は、ぜひ気軽に僕に声をかけてください。
あなたやご家族にとって本当に大切な家づくりを、全力でサポートします。

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