
最近の日本では○○年に一度の雨や寒波、猛暑と多くの自然災害に見舞われています。
鹿児島県はそれに加え台風も来ますし、あまり多く知られてはいませんが震度7の地震が起きる可能性のある地域が広範囲にわたって存在しています。(鹿児島県が公表しています)
建物を設計する上で自分たちがどのような地域に住んでいるかを把握して家を建てないと知らぬ間に大きな災害に直面してしまうかもしれません。
地震や台風による風害は耐震補強でなんとかなる側面がありますが、地域性の災害はどうしようもないんです。
地域性のある災害と言うと
①がけ崩れ・・・家の裏が山だったり、隣の土地が家の地面より2m以上上がっていたり、下っていたりする場合は高い方の土地が崩れてしまうリスクがあります。
②洪水・・・川の近くはもちろんですが近くに川が無くても洪水の被害にあうケースが多くあります。それは盆地です。
盆地は高台に囲まれているので高台に降った雨が全部盆地に向かって流れてきます。
結果、側溝などの排水設備の能力以上の水が流れ込み洪水に繋がるリスクが高くなります。
③液状化現象・・・昔、沼地だったり、海だったり、川だったり、池だったりと水地を埋め立てて土地を広げたところに多く発生します。
パッと見は普通の土地なので分かりませんが、ひとたび大きな地震が来ると今まで隠れていた水分が一気に地上に吹き出して地盤が沈下してしまいます。
2011年の東日本大震災では関東地域の地震被害で液状化現象は多くの報告が上がっていました。
このほかにも沿岸部に建てたら津波の心配もあったりします。
これだけ建てる地域によって遭遇する災害の内容は変わってしまいます。
自分が住みたい地域、気に入った土地があった地域などである程度地域を絞り込んだらハザードマップを事前に確認したほうがいいいです。
姶良市の場合・・・姶良市防災情報マップ
霧島市の場合・・・霧島市ハザードマップについて
鹿児島市の場合・・・鹿児島市防災マップ
など今回は僕の近隣の地域のリンクを貼りましたが、各市区町村でハザードマップと言われる災害危険区域が分かる地図を出しているのでご活用ください。
自分が建物を建てるエリアの災害リスクを理解した上で建物を設計していけば仮災害にあったとしても最小限の被害で抑えられたり、家の場合は家族の命を守る事につなげることができます。
先にも紹介しましたが、台風の風がつよいエリアだったり、震度の大きい地震が予想されているエリアなら許容応力度計算による構造計算で耐震等級3を目指し、強い家づくりが必要ですし、洪水の可能性があれば避難できるように二階建てにしたり、過去の洪水被害をの状況を元に家を建てる土地の高さを高くするのもありですし、基礎内に水が入った時に水が抜けやすい設計だってすることができます。
このように建物を使う人の命を守る為の設計や建物への被害を小さくする設計を事前におこなえば火災保険の保険金で修復可能になる可能性も高まります。
ちなみに住宅用火災保険は家を建てた時と同じ金額は保険金として補償をしてくれません。
被害の状況に応じてその建物の時価の何パーセントかが保険金として支払われます。
なので災害で家が無くなった場合、同じ家を保険金だけで立て直すことはほぼ不可能になりますのでこのような対策設計が必要になってきます。
いろいろな想いを込めて建てられた建物を少しでも被害の小さくし、大切な人たちの命を守る最後の砦にする。
そのような設計がこの時代求められているんだと感じています。
ぜひ、建築前に一度立ち止まりそのエリアがどのようなエリアなのか確認をしてみてください。