鹿児島県の浄化槽事情の話。

鹿児島県では浄化槽を必要な地域がまだまだたくさんあり、古民家をリノベーションしたり、新築を建てたりすると浄化槽の設置をしないと建築が認められない地域が多くあります。
そんな、浄化槽ですがあまり一般的には浄化槽のルールというのはあまり知られておらずに計画が始まってからこんな位置に浄化槽が来るなんて聞いていない!
といったトラブルも頻発しています。
今回はそんな、鹿児島の浄化槽事情についてみていきたいと思います。

浄化槽とは

浄化槽とは簡単に言うと、建物から出る汚水(トイレの排水や台所、お風呂などの排水など)を世帯ごとに浄化し、排水するための設備の事を言います。

住宅では主に合併浄化槽の5人槽と7人槽を使う事が多く、人槽は家の規模と同居する家族の人数で決定します。

排水先は主に道路に敷設されている側溝になります。
排水を側溝にする観点から主に敷地の道路側に設置されることが多くこれがトラブルの火種になりやすい原因の一部になっています。

浄化槽の設置には建築主側に選択肢が無く、家を建てるエリアが下水管が埋まっているエリアなら下水排水、エリア外なら浄化槽の設置になり、浄化槽を設置したくない方は土地選びから考えなくてはいけません。

鹿児島県の公共下水道の状況

鹿児島県の公共下水の普及率はあまり高い方ではないと言わざるを得ないと思います。
下水に関しては各市町村が取りまとめているのでぜひ、建築予定、引っ越し予定の市町村ホームページよりご確認ください。

一番普及しているのは鹿児島市ではありますが松元や郡山、中山などの山地の近くは下水未設置のエリアが多く存在します。

よくある浄化槽トラブル

ここからは浄化槽設置に関してよくあるトラブルをご紹介したいと思います。

トラブル1. 浄化槽が必要な事を聞いていなかった。

先にご説明した通り、浄化槽の設置は建築主の方で選択することが出来ず、下水管エリアの内側か外側で設置することになります。
住宅会社や不動産会社にはあたり前の事なので事前説明が抜けている場合があり、家づくりの打合せに入って初めて知るという方がいらっしゃいます。
浄化槽のエリアに家を建てると下水エリアに家を建てるより余計に、浄化槽設置費用を捻出しなければなりません。

浄化槽設置費用:合併浄化槽5人槽の場合 約100万円程度

土地を購入する前には、ガス、水道、下水の引き込みがどうなっているか必ず確認をするようにしましょう。

トラブル2. 浄化槽の設置位置がおかしい

浄化槽に汚水を流しいれきれいにしたら基本的に道路に敷設されている側溝へ流すことが一般的です。
なるべく排水をする為の管を短くするために、浄化槽は敷地の道路側に設置されることが多いです。

打ち合わせの時にその部分の説明が無く家の工事が始まってから地面に埋まった謎の蓋を発見してトラブルになるケースです。

時に南側や東側に道路があると外の光を多く取り入れるために庭にしたり、大きな窓が設置されることが多く、庭にしたいところに浄化槽が来たり、景観がいいのに地面には浄化槽があったりすると気分がいいものではないと思います。
浄化槽設置の位置を気にする人は間取りの計画の時に同時に設置を計画するようにしなくてはいけません。

また、鹿児島県の浄化槽設計・施工のガイドブックによると浄化槽は最低でも建物から1500mm離さなければいけないというルールが存在します。

鹿児島県下の設計士の中でこのルールを知らない人が多く、すべての計画が決まってから行政申請の段階になって変更を申し出られることもありますので注意が必要です。

トラブル3. 浄化槽にお金がかかる事を知らなかった。

浄化槽にはそれなりに費用が掛かる事もあまり知られておらずトラブルの原因となっています。
設置する費用はもちろんですが特にあるのが浄化槽の維持するためのランニングコストです。

浄化槽は微生物を使って汚物を分解し、汚水の浄化をおこなっています。
微生物ももちろん生き物なので死滅したり、浄化しきれない固形物が浄化槽の中に溜まります。
微生物の量を維持するための保守点検、固形物の除去をおこなう清掃、あとは不具合が無いか定期点検を行う費用が発生してきます。

維持管理費:約年間5万円

これは住まいの浄化槽のメンテナンス会社などによって異なりますが一般的にはこの程度かかると言われています。
もし、現在下水エリアに住まれて居ましたら現在の排水費用と比較してみてもいいかもしれません。

トラブル4. 浄化槽からの臭い

浄化槽は汚水を処理する設備なので少なからず臭いを放つことがあります。
それを聞いておらずご自身がトラブルに巻き込まれるケースがあります。
よくある話として、自分の家では浄化槽の設置位置に考慮して気にならないところに設置が出来たが浄化槽を設置した位置がお隣の家の庭先近くで近隣の方からクレームを言われるケースがあります。

設置位置を考える時は近隣の家の事情にも考慮して設置してもらうよう住宅会社には念入りにお願いし、建築主の方も考慮した上で設置位置を検討したらいいでしょう。

最後に

鹿児島県ではまだまだ多くに地域が下水に対応しておらず、浄化槽の設置を余儀なくされています。
もし、浄化槽を設置したくない場合は下水エリアの土地を選択するようにしましょう。
浄化槽のエリアに住む場合はトラブルに巻き込まれないように自衛も大切です。
今回のよくあるトラブルのを読んで事前に住宅会社にこのようなことが内容確認をしっかりおこなっていきましょう。

浄化槽トラブルも含めて、後悔しない、失敗しない家づくりをする為には最初の計画がとても重要ですが、この計画がないがしろにされているケースがとてもあります。

すでに間取り作成まで進んでて躓いてしまっている方はぜひ間取りのセカンドオピニオンを活用することをおススメします。
有村建築設計工房でも鹿児島県、宮崎県の方々の新築住宅の設計はもちろんハウスメーカーの打合せ同行や間取りのセカンドオピニオンをさせて頂いております。
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