家づくりを相談したいと思ってインターネットで検索をすると建築士や設計士、あるいは建築家など多くの名称が出てこないでしょうか？
建築家はなんとなくわかるんだけど設計士と建築士って何が違うんだろう？と疑問に思っている方も多いと思います。
設計士と建築士には明確に違いがはっきりとあります。
今回はそんな設計士と建築士の違いについて解説していきたいと思います。
そもそも設計士という役職は法的に存在しない
そもそものお話ですが、設計士という役職は法律上存在しません。
設計士とは大衆的に名付けられた名前で主に家や車、機械設備、おもちゃなどの物を作る為の設計をする人、設計図を作る人をそのように呼んでいるのです。
設計士と建築士の大きな違いは資格の有無
設計士と建築士の一番の違いは何を言っても持っている資格の違いによるところが大きいでしょう。
先に説明させて頂いた通り、設計士は大衆的に呼ばれている呼び名であり設計の図面を描く人であればだれでも名乗る事ができる名称です。
建築士とはその国家資格をもって建物の設計に従事する人の事を言います。
似ているようで実はこれだけ明確な違いがあるのです。
また、その仕事内容も全然違います。
設計士の場合
設計士は主に木造住宅であれば2階建て30坪未満までの無資格者が設計できる規模までしか設計できず、それ以上の設計を直接行う事は禁止されています。図面の作成、打合せの同行、書類作成など主に建築士のサポートをすることが業務になります。
建築士の場合
建築士の業務はより広範囲に上ります。設計図書の作成、設計監理が主な業務です。
一級、二級、木造と三種類に分かれており、建物の種類や構造、規模に応じた設計をしていくことができます。
その他にも確認申請などの行政手続きを建築主の代わりにおこなう事が出来ます。
簡単にまとめると建築士は国家資格を持った建築のプロ、設計士は資格を持たない建築士の卵といったところでしょうか。
相談をするなら絶対に建築士へ
設計士と建築士、相談をするなら絶対に建築士へ相談した方がいいというのはここまでのご紹介でお分かり頂けたと思います。
建築士は国家資格なので立場を偽る事は建築士法で固く禁じられているので無資格者が建築士を名乗る事はほぼありません。（年に数人建築士と偽って設計した罪で捕まる人もいます）
なのでだいたいは名刺を貰えたら名前と一緒に設計士もしくは○○設計部などの部署名だけで空欄になっていると思います。
その場合は設計士であることが多いので建築士の方にお願いできないか確認をしてみましょう。
気まずいと思うかもしれませんが、あなたがこれから数千万円のお金をかけて建てる家を無資格の人に設計してもらうかどうかを考えたら答えは明白だと思います。
これは営業マンにも言えて、鹿児島のハウスメーカーや工務店の多くは無資格の営業マンが間取りを作る事が多くあります。
間取りを作るというのはとても簡単そうに見えますがこれは間違いなく設計行為なので素人が設計をしているのと何ら変わりません。
なんなら、設計部で建築を学んでいる設計士よりたちが悪いかもしれません。
相談を受けた鹿児島の会社のケース
ここで一つ相談をされたお客さんのケースをご紹介します。
その方は、ハウスメーカーとの間取り打合せの内容が気に入らず本当に大丈夫かどうか相談をしたいという事でご連絡を頂きました。
建物は2階建ての木造住宅で28坪程度の大きさだったと思います。
図面を見てすぐにところどころおかしな作りの場所を発見しました。
どうしてこうなったのかを聞くとまさにお客さんもその部分が納得がいかなかったようで「なんど言っても直してくれない、こうするしか方法はないと言われたがほんとうか？」という内容でした。
事前に建築予定の土地の場所と写真を貰っていて、法律なども一通り調べていたのですが、おかしな作りもそうですが、法令にも合致していませんでした。
まさかと思い、お客さんに事情を聞くと流れはこのような形でした。
・初回プランを見て要望がすべて盛り込まれてなかったことに違和感を感じ誰が作ったのかを聞いたら営業マンが作っていた。
↓
・営業マンが作ったから要望まで入りきらなかったと思ったお客さんは専門の人にプランを作って欲しい事を要望し設計部の社員を紹介してもらった。
↓
・設計部の社員に再度要望を伝え、後日再提案をしてもらったところ営業マンが作ったプランを少しいじった程度の図面が出てきた。変な作りのところを何とかしてもらえないかお願いしたところこの土地だとこれが限界だと言われた。
↓
・これはおかしいと思い他の専門家にも聞いてみようと思って有村建築設計工房まで相談に来た。
という流れでした。
設計部の名刺を見させて頂いたところ、その名刺には建築士の文字はありませんでした。
後日、調べるとその会社には建築士は2名だけ在籍しており、一名はその会社の代表でもう一人は管理建築士だけだったことが分かりやはり名刺の人は建築士ではありませんでした。
お客さんはその後その会社を解約され予算的に設計事務所では家づくりは難しかったのでご要望を聞いたうえで知り合いの工務店の建築士に紹介させてもらってそこで無事にまっとうな間取りの理想の家を建てることができたみたいです。
なぜ、このケースを紹介したとかというと鹿児島の住宅会社ではよくある見ることだったからでした。
設計は建築士がどのような形であれ会社に一人いればすることができます。
そして、多くの住宅会社は会社の代表や役員が建築士を持っていてその名前を使って設計をしているのですが、実際に実務をしていないケースがほとんどです。
経験のある人が実務をしないので、会社内の設計力が低下してしまいこのようなお客さんが生まれてしまっています。
最後に
家づくりで失敗した人のほとんどはきちんとした専門家と出会えてないケースが5割程度あると僕は思っています。
きちんとした専門家とは、お客さんときちんとコミュニケーションが取れて、いい事悪い事を対等な立場に立って助言、提案、導いてくれる人の事を言います。
その為にも何より最初の相談相手がとても大事だという事です。
すでに間取り作成まで進んでて躓いてしまっている方はぜひ間取りのセカンドオピニオンを活用することをおススメします。
有村建築設計工房でも鹿児島県、宮崎県の方々の新築住宅の設計はもちろんハウスメーカーの打合せ同行や間取りのセカンドオピニオンをさせて頂いております。
現在進行中でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。