長期優良住宅の話。

最近こんな相談をされることがあります。
それは、長期優良住宅は必要ですか?

最近の子育てエコホーム支援事業や来年始まる子育てグリーン住宅支援事業などで補助金獲得の要件になっている事で再び目にする事が増えているんだと思います。
おそらく家づくりの過程の情報収集で補助金に行きついて他の項目より高い補助額が出るので気になるところだと思います。

今回はそんな長期優良住宅についてご紹介したいと思います。

まず、皆さんが気になっている長期優良住宅は必要?不要?の回答をするなら、

ハウスメーカーや工務店の建物仕様がオプション無しで認定が取れるなら取っていいんじゃない?

という感覚です。

そもそも長期優良住宅とはどんな家かというと、長期に渡って優良な状態を確保することができる住宅の事を指します。
一定の維持保全のルールに基づいて、家を維持することで家を長持ちさせるという事ですね。

行政の認定を受けて、維持保全をしていくので国の税制面で優遇を受ける事が出来ます。
2024年1月時点で、受けれる優遇は次の通り。

①住宅ローン控除 (所得税)
②固定資産税の減税期間延長
③不動産取得税の控除額増額
④登録免許税の税率引き下げ

この優遇を受ける為に次の基準をクリアしないといけません。

①劣化対策
②耐震等級
③省エネ等級
④保全計画

になります。
あとは、面積が50㎡以上必要だったり、土砂災害警戒区域のレッドゾーン内でない事や、区画整理などで直近で取り壊し予定がないことがあります。

先ほど挙げたオプション無しで認定が取れるというのはこれらの基準をハウスメーカーや工務店が標準仕様としてクリアしているという事です。
追加が発生するとしても長期優良住宅の認定取得料くらいです。

仮に長期優良住宅の仕様が標準仕様でない住宅を長期優良住宅化した場合、追加費用として200万円~300万円はかかるのではないかと思います。

住宅ローンを3000万円程度で考えられているご家庭からしたらこの追加費用300万円は税優遇分でも帳消しにはなりませんので注意が必要です。

ちなみに、僕の地元鹿児島では長期優良住宅対応住宅という家を販売している会社はたくさんありますがその会社の1割もが長期優良住宅に対応した構造の建物を建てているのを見たことが無いので本当に長期優良住宅に対応しているのかは怪しいところです。
おそらく、構造の追加費用で長期優良住宅にできます!というような気はしています。
そこは、その長期優良住宅対応住宅を販売している会社さんで長期優良住宅を建てた方のみぞ知ると言ったところでしょうか。。。

とにもかくにも税優遇が薄く、補助額も多くて数十万円であればわざわざ長期優良住宅にする必要も少なそうです。

有村建築設計工房は設計事務所なので、決まった仕様があるわけではありません。
あくまでも施主の要望に合った家を設計することになるので長期優良住宅になるかはご要望次第です。
もちろん、相談があったらメリットデメリットお伝えして最終決定してもらいます。

自分たちの生活スタイルに合った仕様の家を建てるこれを前提に取れるものは取る、これが大切です。

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