
最近のトレンドの設備で浴室暖房機をよく聞きます。
天気に左右されずに洗濯物を干すことができ、部屋干しするよりも早く乾いて、部屋干し特有のいやな臭いがしづらいのが人気らしいです。
これをつけたいけどどう思いますか?つけるべきですか?と聞かれることも非常に増えました。
有村建築設計工房としては結論、浴室暖房乾燥機は不要!とお伝えしています。
浴室暖房乾燥機が不要だと伝えている理由は以下の通り。
①単純にコストパフォーマンスが悪い。
浴室暖房乾燥機をつけようとするとだいたいの場合10万円前後のオプション費用が必要になってきます。しかし、この価格に対して浴室暖房乾燥機ができる事への費用対効果がとても悪いです。
暖房機能は最近の住宅業界が目標にしている高断熱仕様の家でしっかり断熱、空調の管理設計がされているならお風呂場だけ極端に寒くなることはありません。
なぜ、お風呂が極端に寒い印象を持たれてるのかと言うと昔の家は、お風呂場に断熱をすることがほとんど無かったこと。衣類をまとわない場所なので記憶として他の部屋より寒いと覚えていることがあげられます。
乾燥機能は、乾燥機が欲しいなら幹太くんやドラム式洗濯機の乾燥機能の方が数段上ですし、干して乾かしたいなら除湿機能付きの乾燥機の方が断然いいです。
②電気代が高い
先ほどは設置費用に対してのコストパフォーマンスでしたがここでは実際に使った場合の電気代についてです。
これが驚くほど高いです。
ドラム式洗濯機と比べると4倍ほど高くなるなんて言われたりもするほどかなり高いです。
他の幹太くんなどのガス乾燥機、除湿乾燥機に比べても割高になってしまいます。
③浴室に暖房機能は本当に必要?
これはあくまでも僕の見解ですが、浴室に暖房機能は必要でしょうか?
特に新しい断熱基準で家を建てられる方は、今の住まいよりほとんどの場合、室内温度の差は小さくなります。
また暖房で浴室を温めたとしても、お風呂に入るときほとんどの場合は換気扇をつけてお風呂に入ると思います。
そうすると温めた空気は最初の人の入浴でほとんど排出されてしまっているのです。
それよりも脱衣室や洗面室など衣服を脱ぐスペースに暖房を持ってきてそちらを温める方がよほど効率的ですし、温かい空気を換気扇でそのまま捨てるなんてことは起きません。
この3点が僕が浴室暖房乾燥機をおススメしていない理由になります。
浴室暖房乾燥機をつけるかつけないか悩む時間を少しでも断熱計画がしっかりされているのか、つけられる設備は今の断熱計画にあっているのかを見極める時間にあてた方がよりより住環境を実現することに繋がると思います。
必要な部分に予算を回し、不要な部分はとことん削っていきいい住まいづくりにしてもらう参考にして頂ければと思います。