
家の性能としてどうしても気になるのが断熱性能だと思います。
誰でも熱い家、寒い家なんて嫌ですし、快適に過ごす為の空調のコストだってできるだけ安く済ませたいと思うのは当然だと思います。
僕も当然そちらの方が断然いいです!
ではどんな断熱があるのだろうと調べてみるとグラスウールやロックウール、ポリスチレンフォームや発泡ウレタン、セルロースファイバーなどたくさんの断熱をする為の材料が出てきます。
これらを見た時に『あれ?どれがいいんだ?』と疑問に浮かぶと思います。
なんて言ったって家づくりの専門家である工務店、設計事務所だって迷いますから(笑)
それぞれ特徴が異なっていたり、コストが違ったりイロイロな違いがある断熱材ですがそのあたりの考え方を今回はお話しさせてもらえたらいいなと思います。
良く勘違いがあるのですが
断熱材で断熱性能が変わる事はありません!
はい、大げさに言いました(笑)
もっと丁寧に言うと熱伝導率が同じであればどの断熱材を使っても計算上の断熱性能は変わることはありません。
断熱材の性能は熱伝導率という数値を見て性能を判断しています。
熱伝導率とは熱の通しやすさの事で数字が小さい程、断熱性のが高い事を示しています。
住宅の断熱材に使う熱伝導率は概ね0.040~0.032W/(m・K)程度になります。
この間で断熱の性能が変動することになります。
この数字を使っているので熱伝導率が同じであればどんな材質の断熱材でも性能は同じです。
ではどこに違いがあるのかというとそれは施工のしやすさや湿気の通りやすさ、可燃性の高さなどで差が出てきます。
物によっては使えない場所や適さない場所などもあったりするのでそのあたりを加味してどの断熱材を使うかを設計者は判断しています。
ちなみに鹿児島県の断熱材で圧倒的に多いのは発泡ウレタンの断熱材です。
発泡ウレタンは壁にウレタンの原材料の液体を吹き付けるとその場で膨らんで断熱材を構成するタイプの断熱材です。
施工性が高く液体を吹き付けて膨らむのを待つだけなので工期も短くすることができます。
鹿児島の地場ハウスメーカーの多くはこの断熱材を採用しています。
では、有村建築設計工房ではどの断熱材を採用しているのか?と思われている方も多いとおもいますのでご紹介したいと思います。
有村建築設計工房では基本的に依頼者の要望が無い場合はグラスウールを使っています。
なぜなのか。
それはコストと断熱材としての安定性と火災リスクです。
まず、グラスウールは断熱材の中でも圧倒的に安いです。
昔から使われてきただけあって流通経路も安定しており、比較的安定して購入することができます。
全国的にはまだまだ使用している会社も多いのも理由になると思います。
次に断熱材としての安定性です。
キチンと間違いなく施工されたグラスウールは長い年月を安定的に断熱効果を発揮することができます。
そして火災時のリスクです。
家が燃えるとまずは壁紙、そしてコンセント、その中の断熱材へと火が広がっていきます。
そうなってくると中の断熱材が燃えやすいと一気に火の手が建物中に回ってしまいます。
グラスウールはガラス繊維で作られた断熱材なので火に対して強く燃えづらい性質を持っています。
そんなグラスウールはもちろんデメリットもあります。
それは施工の難しさです。
施工性は決して悪いわけではありませんが、断熱材のスキマなく埋めるという点に関しては難しさがあります。
特に断熱工事をする人によってバラつきが出やすいのもグラスウールの特徴です。
専門の断熱工事業者さんでもグラスウールの工事に関しては施工方法を勘違いしている人もいて、それが施工間違いに繋がってしまうというケースもあります。
それでも有村建築設計工房でグラスウールを採用しているのはそれでもトータルバランスを見たら依頼者にとって最高の断熱性能の家を提供をする自信があるからです。
有村建築設計工房では必ず断熱材の検査を実施しています。
これはどの断熱材も例外ではありません。
断熱材を詰めすぎていないか、スキマは無いか、防湿シートがキチンと施工されているかなど適正に断熱工事が行われているかを確認します。
その検査が終わらないと決して断熱材が隠れるような工事に進むことができないようにしています。
そうすることで100%の性能を発揮する断熱層を作り断熱性能の高い家を実現することができます。
鹿児島県でここまで断熱材の施工検査をしている会社はそうそうないと自負しています。
そのデメリットをカバーできるからこそ低コストでいい断熱性能を発揮し、余ったコストで家の見える意匠にコストを使ってもらった方がいいと僕は考えています。
結論、どの断熱材がいいですか?という問いに対しては
コスト、性能の面、火災リスクの面を考えたらグラスウール一択!
ということになります。
ただし、徹底した設計者の設計監理が必要という事も付け加えておきます!