オモシロイ材料紹介③-透湿防水シートー

今回は、オモシロイ材料というより、おススメの商品の紹介です。

透湿防水シートという材料があります。
外からの雨や露などが室内に侵入しないようにする為の防湿効果と壁の中で発生した湿気が壁の中で結露しないように湿気を外に逃がす為に透湿効果を兼ね備えた材料です。

現在は、必ずと言っていい程使われています。

世に多くの透湿防水シートがある中で、旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のタイベックシートを有村建築設計工房はおススメしています。

タイベックシートには同じ旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社からタイベックシルバーという透湿防水シートもありますが、それとは別物なのでお気を付けください。

なぜタイベックシートがおススメなのか、それはたった一つです。

耐久性が圧倒的にちがうから

です。

国産の透湿防水シートとタイベックシートを比べると、国産の方はまるで合皮レザーが劣化してボロボロになっているように表面が剥げている状態を良く見ることができます。

残念ながら劣化した状態の写真を残していなかったので、気になる方は
【透湿防水シート 劣化】で検索してみてください!

タイベックシートは元はアメリカのデュポン社が製造している商品ですが、宇都宮市の工場と研究室では、梱包等の作業と各種試験をおこなっているみたいです。
デュポン社自体も長年の研究と多くの採用実績の元開発された透湿防水シートなので信頼性は抜群です。

工場には各社の透湿防水シートが設置されており、劣化具合を展示しているようです。

この差には日本の透湿防水シートとタイベックシートの構成で違うみたいです。

日本の場合は、フィルム+不織布の2層構造の物が多いみたいです。
タイベックシートは、単一素材の不織布の物が多いみたいです。

複層になる事によって層ごとの厚みが薄くなってしまい、耐久力が落ちてしまうのだと思います。
日本の場合、住宅建材はどうも最長10年程度持てばいいと考えている節があると感じます。
そういう意味では、メンテナンスを必ず材料の耐久年内に必ずおこなうという方だったらいいかと思います。

ちなみに有村建築設計工房で一番おススメしない透湿防水シートもお伝えしときます。
それは、デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のタイベックシルバーです。

タイベックシルバーがなぜおススメではないのか、それはタイベックシルバーが持っている特徴にあります。
タイベックシルバーには、アルミニウムを蒸発させて、透湿防水シートの繊維にアルミニウムのコーティングをおこなっています。

タイベックシルバーを使う事によって、遮熱性が上がるのと共に、室内の熱を外に出さないようになるというのがメーカー側の案内です。
その他にも、アルミニウムをコーティングしていることによって防水性や耐久性などの透湿防水シート本来の機能も補強されるみたいです。

ここまで聞くといい事尽くめに聞こえますが、問題が一点あります。

その問題点とは、

家の中に電波が届かない問題

です。

電波??と思った方もいると思います。
みなさんが、生活しているうえで必需品になっている物に大きく関わります。
現在もその手に持ってこのブログを読んでいるかもしれません。

それはスマホです。

最近の住宅は、屋根は耐久性が高くて意匠性も担保でき、軽さもあるガルバリウム鋼板が使われ、窓は熱の移動を小さくする為に、Low-Eという金属膜の入ったガラスを使用しています。
そこに建物全体を覆うように、アルミニウムをコーティングしたタイベックシルバーを貼ると家全体を金属で囲った形になります。
金属は電波を遮断する効果がありますので、外から入ってくるスマホの電波を遮断してしまうのです。

夢のマイホームに住み始めたら初めて電波の悪いことに気づいても後の祭りです。
実際こういうパターンのご家族は多いです。

屋根の材料は家の耐震性に直結するので、耐震に有利なガルバリウム鋼板を使うのは良いと思いますし、窓は断熱性能で言えば一番の弱点になりますので、Low-Eガラスで補強する必要はあると思います。

その中で、アルミニウムをコーティングした透湿防水シートは計算上は断熱性能には全く効果はありませんし、効果があるとしても断熱性能の中では影響が無い程度ですので一番不要な効果だと僕は考えています。

最近はWi-Fiがあるから大丈夫という人もいますが、ネットサービスはそれで問題ありませんが、電話はそうもいきません。

後は、最近のスマホの電波が5Gに切り替わってきている事もこの問題を加速させています。
基本的に電波の強さは、通信の速さに応じて障害物に弱くなってしまいます。
それが鉄なら尚の事です。

材料一つの選択で、家の住まい方は大きく変わってきてしまいます。
特に透湿防水シートを選ばせてくれる会社は無いと言っていいでしょう。
全てをオーダーメイドで設計する設計事務所でも強い要望が無ければいいやつを使いますくらいにしか触れない部分です。

自分たちの住まい方はをしっかり考えてベストな建材選びをしていきましょう!

有村建築設計工房では、お話しを聞きながら施主の住まい方を一緒に考え提案しています。
家は建てたいと持っているけどどのような家がいいのか分からない、設計事務所とハウスメーカーや工務店で家を建てる違いが分からないなどご相談もお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。

ご相談お待ちしております!

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