設計事務所に設計をお願いすると高いのか?

家づくりを考え始めた時にまずは「どこの会社にお願いをするか?」ということだと思います。

その中でも設計事務所にお願いをしようと考えるのはごく一部、少数派になります。苦笑
なぜ、少数派になるのかはそもそも相談先としてはハウスメーカーや工務店の優先度が高くて検討に上がっていない場合もあるのですが、

ある大きな誤解があると考えています。

今回のブログを通してこの誤解を解消出来たらと思います。

設計事務所に対するある誤解

まず結論から。
設計事務所に対するある誤解。
それは、

設計事務所にお願いすると設計費用分高くなる。

という誤解です。

実は設計事務所で家づくりをする場合は割高になるどころか同じ建物を作るのであればほぼ同じデザインや構造、性能でよりクオリティの高い家づくりが可能になるのです。

むしろ、ある理由でより安心安全な家づくりを実現することが可能です。

ではまず建物を作るときの価格の内訳を公開したいと思います。

上記の表はハウスメーカーなど設計と施工を同時に行い、モデルハウスやCMなどで知名度が高い会社の価格の構成と設計事務所と工務店で家を作る会社の場合の構成の比較になります。

家を作る為に掛かるお金は3500万円(諸経費などは別途)

このように見比べると水色の部分が大きく違う事が分かります。
ここがよりクオリティの高い物を作れる理由になります。

では、具体的にクオリティが高いとはどのような事を言うのか?

例えば
ハウスメーカー   床材がシート張りフローリング
設計事務所+工務店 床材が無垢フローリング

ハウスメーカー   外壁が板貼風のサイディング
設計事務所+工務店 外壁が本物の板貼

などなど価格を調整するために本物ではなく○○風や○○調など偽物を使用してようやく3500万円になるハウスメーカーと本物を使って3500万円に納まる設計事務所+工務店。

このように同じデザインでも使う材料の差が大きく家のクオリティに反映されてくるのです。

しかもこれにプラスしてプロのアドバイスや職人さんに対してのやり取りなどを設計事務所の建築家が代わりにおこなっていきます。

ハウスメーカーは多くの営業スタッフがいてモデルハウスや店舗で家を作りたい人を待っています。
さらに、モデルハウスの維持や集客の為のプレゼントキャンペーンで商品券を配ったりします。
鹿児島県や宮崎県だとクオカード1000円分プレゼント!などが多いですね。
初めましてのお客さんとしていくのにはとても魅力的な場だと思います。
ですが、その費用は誰が払っているのかというと契約されたお客様の支払った資金からです。
なので、広告費や営業スタッフの人件費などに多くの割合が住宅費用に割かれているのです。

一方、工務店はモデルハウスを持っていなかったり、仕事は過大な広告に頼らず知り合いからの紹介や設計事務所からの施工依頼から成り立っていることが多く、人を呼びこんでくる営業スタッフが不要であり広告費用が含まれていない価格構成にすることができるのです。

ここで感のいい方はこのような考えが浮かんだのではないでしょうか?

それなら設計事務所ではなく工務店に直接お願いをした方がより安く家を建てることができるんじゃない?

この考えが浮かんだ方は正解です!
設計も家づくりも営業スタッフもいないほとんど広告もだしていない工務店にお願いした方が一番安く家づくりをすることができるのです。

しかし、工務店との家づくりには大きな落とし穴があります。

工務店と直接家づくりをするときの落とし穴

先ほども書いた通り、工務店と直接家づくりをしたら一番安く家づくりをすることができます。
これは間違いありません。

しかし、その工務店がきちんとしたデザインが作れて、きちんとした施工ができるかは全く別の問題です。

工務店はレベルの差がめちゃくちゃ激しい

という事です。

その技術力を一般のお客さんが見極めるのは至難の業です。
それを見極めたくても比較するためのモデルハウスもありませんし、場合によってはお話上手な営業さんがいるわけでもないので口下手な職人気質な社長が対応なんてことも当たり前のようにあります。

これが工務店と直接家づくりをした場合の落とし穴なのです。

もし、設計事務所を入れずに工務店とハウスメーカーで家づくりを比較したいという場合は圧倒的に安心感はハウスメーカーにあると思います。

余談ですが、あなたの身の回りに県内で有名な工務店があると思います。
そのような工務店は勉強をしっかりして、商品をしっかりと作り込み、情報発信もたくさんおこなっていると思います。
そのような工務店は人が多かったり、営業さんがいたり、モデルハウスを持っていたりとハウスメーカーと似た側面を持っているので思っていたほど安くならなかったなという印象を持たれる方が多いです。

設計事務所と一緒に家を作る事のメリット

同じ価格の家づくりなら広告費などがたくさん入ったハウスメーカーより設計事務所+工務店の方がいい材料も使えてクオリティの高い家がつくる事は分かったが設計事務所を入れるメリットは何だろうと考えてる方も多いかと思います。

ここからは設計事務所と家づくりをするメリットを紹介していきます。

完全オーダーメイドの家づくりの実現

設計事務所の家づくりは決まりがほとんどありません。
決まりらしい決まりと言えば建築基準法を守る事、地域のルールを守る事くらいでそれ以外の事は本当にほとんどありません。

あなたが本当にしたい家づくりの話をとことんできるのが設計事務所というところです。
使いたい設備、素材、デザインなどなどなんでもご要望に沿って設計することができます。
やりたいことがすべてやる事が必ずしもいい家づくりになると限りません。
その部分に関しても知識や経験からアドバイスをさせてもらいながら一番いい設計をおこなっていきます。

また、家の事を一番知っている人に直接自分の要望を伝えることができるので伝言ゲーム的にいつの間にか自分の要望がそぎ落とされてしまっていることがなくなります。
設計に関して絶対にすべての要望に応えられるわけではありません。
要望の中には両方の要望を叶えてしまうとチグハグとしたデザインになってしまう事があるからです。

その中で家を建てたい人が一番に叶えたい事というのはその本人のお話の熱量や意気込み等本人からしか感じれない部分が非常に大事になってきますので建築士と直接話すことはとても重要です。

余談ですが。。。
僕がハウスメーカー時代にお客さんとお会いして、初めて聞く話の多くが「営業さんには伝えていたはずなんですが?」と言われていました。

プロの目線で家が建つまでチェックをしてくれる

家づくりとは工事用の図面が出来て工事が始まってからが本当の本番です。
どんなに断熱性のよい家、耐震性の高い家、デザインのよい家だったとしても工事の方法を間違えていたらすべて意味がなくなってしまいます。

「職人さんが作るから大丈夫でしょ?」と思う方もいるかもしれませんが多くの職人さんは構造や断熱工事、法律の事を知らず間違った施工をすることが多いのが現状です。
このように工事用の図面と実際の工事がズレが無いようにチェックすることを設計監理と言います。

これは専門家が専門知識を持って実際に正しい工事をしているか見て間違えていたら現場側に正しい形に直してもらえるようにお願いをすることになります。

自分の会社で設計と施工をしている会社だと「間違えちゃったけど分からないし黙っとこう」なんてことが無くもありません。

なので設計会社と施工会社は別にしてしっかりと第三者として見てもらうのが確実です。

上記の画像は家を建てる人と各会社の関係図になります。


最後に

今回は設計事務所って高いの?からお話を深ぼっていきました。
設計事務所でする家づくりは決して高いわけではありません。

むしろ同じ価格帯のハウスメーカーとの家づくりだと無駄な経費が掛からない分多くの資金を建築費用にかけることができるメリットがあります。

と、メリットをたくさんお伝えしてきましたが一つだけ設計事務所では絶対叶えられないことがあります。

それはローコスト住宅を作りたいという事です。

ローコスト住宅は建材のグレードを極力下げ、構造、断熱などを法律ギリギリに抑えてその価格で大量生産して価格を抑えています。
オーダーメイドの設計事務所とは対極にいる家づくりだと考えて貰っても差し支えないと思います。

正直僕はローコスト住宅で家づくりをして欲しくないと考えています。
建築の世界は安かろう悪かろうが顕著に表れる世界だからです。

ローコスト住宅と言っても普通に過ごせる家を作るには一棟2000万円はすると思います。
各会社さんの家づくりの良し悪しを見極めてぜひご自身に合う会社さんを見つけてみてください。

有村建築設計工房では鹿児島県、宮崎県を中心に家を建てたい方々の家づくり相談に対応しております。
ハウスメーカーや工務店と契約してしまったあとでも間取りのセカンドオピニオンや打合せの同行など現在進行中のお困りごともお待ちしております。

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