地盤改良が必要になった時にやるべきこと。

家の計画中に突然必要な出費を迫られることが良くあります。
その代表格が地盤改良。

地盤改良が出てしまうと平均100万円程度の金額がかかります。
それなのに土地を購入してみないと分からないという厄介な工事になっています。

この工事が出てしまったが為に予算を圧迫されやりたかった工事を断念せざるえなくなってしまうかも多くいらっしゃいます。

今回は実際に地盤改良が出てしまった時にどのように対応したらいいのかをまとめていきたいと思います。

まずは地盤改良が何かから解説したいと思いますので地盤改良が何か分かっていて早く対応策を見たいという方は目次から飛んでください。

そもそも地盤改良ってなに?

地盤(家を建てたい敷地)は地表は固そうに見えても地中では家を安全に支えられないくらい脆い地層があったり、地下に水たまり(地下水)があったりすることがあります。

このような地層が地下にあると地震が起きた時に液状化現象で家が傾いたり、長年家の重さが地中にかかる事で徐々に地面が沈んでいき家が傾く原因になってしまいます。

そのような土地では地盤改良という工事をおこなって固い地層まで杭を打ったり、たくさんの柱を中に埋めて地中の土との摩擦で支える工事をおこないます。

上の画像は柱状改良という種類の地盤改良工事になりますが、黄色が柔らかい地盤、茶色が固い地盤になり固い地盤まで柱を埋めて家を持たせる形になります。

上の画像は摩擦杭工法というもので地面の中にたくさんの砕石を詰め込んだ穴を作ります。
そのきっちり詰められた砕石と地中の土との間で摩擦を作り家を支える工法になります。

完成すると地表にこのように砂利の円が表れています。
この中一杯に砕石がつめられているのです。

鹿児島県で地盤改良工事が必要になった時には主にこの2点の地盤改良がおこなわれる事になります。

後は施工する会社がどこの地盤補償会社と提携しているかで微妙に名前が違いますが工法としては同じ事をおこなっていることがほとんどです。

家を建てる前には必ず地盤調査をおこなわないといけません。
これは法律で決まっています。

その結果、安全な地盤か危険な地盤かを建築士が判断して家づくりが行われます。

地盤改良が必要になった場合はどうしたらいいか。

①地盤調査報告書の説明を受け可能であれば建築士の見解を添えてセカンドオピニオン又は再調査を依頼してみる。

地盤改良が出てしまった場合はまず地盤調査報告書を提出してもらいどの部分がどのように危険なのかを建築士から説明をもらうようにしましょう。

上の画像が実際に当事務所で地盤調査をおこなった報告書の一部になっています。
一番上の欄に荷重と書かれてメモリが4等分されている部分があると思います。
このメモリの内側にグレーやピンクのグラフが納まっていると地盤的に弱い可能性があるかもしれないと判断します。
次に換算と書かれたところに数字が並んでいると思いますがここが実際に家を置いた時に問題ないかを確認する部分になります。

家の基礎の工法にもよりますがべた基礎と言われる基礎なら20kN/㎡以上あれば家を支えられる可能性の高い地盤であると判断します。

ちなみにこの地盤調査の結果は、
地盤改良が必要だと地盤調査会社さんからは判断が出ていました。

ただこの結果だと20kN/㎡以下になっているのは2か所だった為、僕の方から建築士としての見解を出して、ほかの会社にこの地盤調査結果を元に再審査をしてもらった結果、
地盤改良の必要はなし
の判断を出すことが出来ました。

このケースは本当に判断が微妙だった為このような対応をさせて頂きました。
知識ある人が見て、さらにその考えを元に再調査をすることで100万円かかる予定だった地盤改良工事を再調査費3万円で済ませることができたのです。

結果を覆して地盤改良が不要になったとしても一度は地盤改良の判断が出た土地であることは変わりはないので地盤補償には必ず加入するようにしましょう。

②地盤改良工事は必ず相見積もりを取って両方の見積りを見せてもらう。

地盤改良工事をどうしてもやらないといけなくなった場合どうしてもネックになるのはその金額です。

地盤改良工事は50万円~150万円程度で工法や改良をしないといけない深さ、家の大きさなどで大きく差が開いています。
中央値としてだいたいが100万円前後で納まる事が多いのですがそれでもこの差は見過ごせません。

ハウスメーカーや工務店さんの中には一つの会社にしか地盤改良工事をお願いしていないケースが多く見受けられます。
なぜかというと改良工事会社さんからマージンをもらえることがあるからです。

地盤改良工事は確定してしまえば絶対におこなわないといけない工事になるのでそのままだと言い値で工事をお願いしないといけなくなります。
中には相見積もりを取ったけどここが一番安かったと言われ、一社分の見積りを出される場合もよくあると聞きます。

ここは必ず確認をしないといけない金額になります。

  • 最低でも2社の相見積もり取ってもらう
  • 自社でできると言われても他社の見積りを依頼する
  • 相見積もりを取ってもらったら必ず取ってもらった件数分見積りを見せてもらう

これを徹底しましょう。
こうすることで変な金額操作も防げますし、しっかりと価格の精査をすることができます。

まとめ

地盤改良が出たらまずは報告書を建築士と確認をする。(どの部分が原因なのか説明してもらう)

地盤調査の結果が微妙そうであれば建築士の見解をつけて再調査をしてみる。(明らかに地盤改良が必要な場合はこの必要はなし)

地盤改良をする場合は必ず相見積もりを取ってもらいすべての見積りを提出してもらう(ここで断られることはないはずですが断られた場合何かあるかもしれないです。)

地盤改良が出にく土地はどのように探したらいいか

そもそも地盤改良が出にくい土地はどのように探したらいいのだろう?
とこれから家を計画する人もいると思いますのでそちらも簡単にまとめておきます。

標高が高い土地、もともと山だったり丘だったりした土地

標高が高い土地はそもそもが内部の地盤が固い傾向にありとても安定をしている可能性がとても高い場所が多いです。
気をつけないといけないのは谷を土で埋めて平地を作っている場合。
この場合は谷部分は新しい土を入れて作られているので山よりも強度が無く地盤改良が出る可能性が高いです。

畑や田んぼ、埋め立て地は要注意

最近の住宅街ではもともと畑や田んぼだったところを埋め立てたり、昔の川や池を埋め立てたりして作られている場所が多くあります。

特に霧島市の新興団地などの多くはそのように作られています。
この付近も弱い地盤が多いので注意が必要です。

造成したての土地

これは先ほどの畑や田んぼと近いですが新しく造成された土地も地盤改良が出やすい傾向にあります。
特に擁壁を作って土を大量に入れていた土地は注意が必要です。
造成された土地の高さが高ければ高い程、地盤改良費も高額になっていきやすい傾向にあります。

地名に川や沢などの水関係や谷などの名前が入っている土地

これは小さい土地の単位といよりは町名なので町単位の話になってしまいますがこのような名前がついている場合もともとこの町付近に水や谷があり埋め立てられて作られたエリアの可能性があります。
こういう場所もエリア単位で改良工事が出やすくなる場合があります。

建てたい土地があった場合敷地周りの状況を確認してみる

もし、建てたい土地があって地盤改良の可能性が高い土地だった場合は周りの古い家や電柱、道路を確認しましょう。

  • 古い家を見つけて基礎に大きなヒビが入っていないか
  • 土地周りのコンクリートブロックでつなぎ目以外の部分が大きくヒビが入ったり割れたり傾いたりしていないか
  • 電柱が不自然に傾ているところはないか
  • 道路と宅地の境界で不自然な段差がないか

この辺りを見ておくとこの辺りの地盤が強いかの目安になります。

見る物は新しければ新しい程ダメです。
築15年以上たっている建物を参考にするようにしましょう。

たまに道路が波打っていたり、マンホールが盛り上がっていたりも地盤が弱いと判断される方がいますがそもそも道路工事側の不備の可能性がありますのであまり参考にならないので注意をしてましょう。


最後に

今回は地盤改良が出てしまった時の対応方法とこれから土地を探す人向けに地盤改良が出づらい土地の探し方について解説をさせてい頂きました。

今回紹介させて頂いた土地の探し方については必ず地盤改良が出ないという訳ではないのでそこのところはご了承ください。

本当は土地の販売要項に地盤調査の結果を乗せてもらいなというのが設計事務所としての本音なんですがそこは土地の販売価格やそもそも買い手がつかなくなるなどの理由から難しいのかもしれませんね。

有村建築設計工房は鹿児島、姶良、霧島で多くの家づくりに困った人たちのご相談に乗っております。
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