新型コロナが流行り出してからじわじわと価格が上昇してきていた住宅価格。
ウッドショックを引き金に一気に様々な素材が値上がりしていき今や2019年頃から比べると約1.5倍ほど住宅価格が変わってきています。
設計事務所で設計して相見積もりを出しても毎回前回の見積りよりも少し価格が上がって提示されることが増えてきました。
ハウスメーカーや工務店でも苦慮されているようで知り合いの営業マンからはどんどん家の建材がチープな物に変わってきていると住宅価格をなんとかキープするためにとても苦慮しているのがうかがえます。
日本の住宅も少しづつ二極化してきていると感じています。
大きな家でチープな素材を使った大衆住宅
小さな家でちゃんとした素材を使った豊かな家
あなたならどちらで家を建てたいですか？
新築の家の価格が高騰している理由
①ウッドショック
森林大国日本ですがそもそも住宅に使われているほとんどの木材は海外から輸入している物になります。
その多くは北欧や北米などの寒い地域の木材です。
しかし、アメリカや中国などで新型コロナが流行った影響で在宅でおこなえるDIYブームや戸建て住宅のニーズが広がり材料のほとんどがそちらに流れてしまい日本に入ってこなくなったのが発端です。
現在の流通は通常にもどりつつありますが、木材の価格はピーク時より少し下がりましたが高止まりが続いてる状態です。
②オイルショック
オイルショックというと歴史の教科書などに出てくるような状態を想像されるかもしれませんがそちらではなく昨今のガソリン価格と同じ理由で石油商品の価格が高騰している状態のことを言います。
不安定な世界情勢の中で石油産出国があえて石油の輸出量を絞り価格を釣り上げていることから石油で作られているプラスチック等の住宅建材が高騰しているのです。
住宅の設備や建材には多くの石油製品が使われているのでそれがダイレクトに価格に跳ね返ってきています。
③人件費の高騰
建材などの価格高騰はここ最近の情勢で急激に上がってきているのですが、10年ほど前からじわじわ価格が上がっているのが家づくりに関わる人たちの人件費になります。
家を作る大工さんをはじめ職人さんの高齢化で満足な仕事ができる人は年々減少傾向にあります。
それ以外にも住宅の設計をする建築士、現場を管理する現場監督など家を建てる為に指揮する人も減っていています。
慢性的な人で不足の為、ある程度の費用を出さないといい職人さんが集まらない現状があります。
この3つは家づくりの全ての工程に親密に結びついておりその結果急激な価格高騰が起きてしまっているのです。
今後の住宅価格はどうなる？
今後の住宅価格は新築注文住宅に限って言いますとこのまま価格上昇が緩やかに続くか落ち着いたとしても高止まりして価格が戻る事は二度とないと思います。
なぜかというと【住宅界隈で一度価格が上がると元に戻った事例が一度もない】からです。
このままいくと住宅は必需品ではなく嗜好品になっていくことになります。
つまりは贅沢品になるのです。
価格上昇が続くからこそ小さな家がおススメ。
先ほどもお伝えした通り家はどんどん贅沢品になっていくと思います。
贅沢品になるからこそそこにはハウスメーカーが作るようなマンションのような家ではなく、素材一つ一つにこだわった小さな家を建てることがおススメです。
同じ100円の板チョコがあったとします。
片方は工場で加工されている板チョコ
片方は職人さんのこだわりが詰まった板チョコただし工場のチョコより少し小さめ
この二つが並んでいたらあなたはどちらを買うでしょうか？
おそらくですが職人さんのチョコを買われるのではないでしょうか？
選んだ理由は少し小さくても職人さんのこだわりを体験したいやいい体験をしたいとの理由ではなかったでしょうか？
これは家づくりでも同じなのです。
しかしこれはただ小さい家がいいというのではありません。
小さい家で豊かさを感じる家
でなくてはいけません。
この豊かさという部分は家を建てられる人で十人十色です。
自分たちが住む中でどのような環境がおちつくのか、どのようなときに幸せを感じるのかを探してもらうのが自分の豊かさに気づくきっかけになると思います。
小さな家を作るという事は家に使う材料を減らして価格を抑えるほかにイロイロなメリットがります。
小さな家のイロイロなメリット
①建築費用・税金・ローン
先ほどもお伝えした通り小さい家であればそもそもの建築費用を抑えることができます。
そのうえ、住宅を購入すると支払う事になる固定資産税も面積から費用を割り出す項目もあるので小さければその分抑えることができます。
その他、建築費用が抑えることが出来ればもちろんローン等の借り入れ金額も抑えることができて返済にゆとりを持つこともできます。
②メンテナンスが楽
家を建てた方で近い未来必ず困る事が出てくるのが家のメンテナンスです。
住宅を持ってしまった以上必ずメンテナンスをしていかなければいけませんが小さい家ならばそちらも抑えることができます。
また、小さい家ならば見る範囲も少なくなるので普段生活しながら不具合などにも気づきやすくなるので大きな工事が必要なメンテナンスになる前に修繕しやすくなるメリットもあります。
③掃除が圧倒的に楽
小さい家だからこそ掃除がとても楽におこなう事が出来ます。
若いうちに家を買うとその当時は楽にできていた事も歳を重ねるとしんどくなってくることもできてきます。
その時に子供がいるから広い家！と広く作ってしまうと60歳、70歳と夫婦二人で住んでるだけなのにその広さを掃除し続けなければいけません。
メンテナンスにも通じますがその広さを高齢の人がずっと守り続けるのは難しいでしょう。
そういう負担を軽減するメリットがあります。
最後に
今回は価格高騰が止まらない日本の中で贅沢品になっていく住宅を普通の家にするのではなく小さな家について記事にまとめてみました。
小さな家と言うとなんとなくローコスト住宅のイメージが先行してしまいや安っぽい雰囲気でとらえる方もいらっしゃいますが小さな家で豊かに暮らす家はそのイメージから大きく離れたところにあります。
僕の愛書でもある【伊礼智の小さな家のレシピ】という本があります。
その中には様々な小さな家が写真付きで紹介されておりどの家もローコスト住宅のそれとは一線を画すデザインと作り込みがあります。
有村建築設計工房でもそのような家づくりをおススメしています。
無駄に大きな家は何も残りません。
自分たちに必要な必要最低限の心地よい家づくりをぜひ有村建築設計工房で相談してみませんか？
ご相談お待ちしております。