一級建築士と二級建築士の違いってなに?

こんにちは最近はかなり冷え込んできていますね。
有村です。

今回は仕事上でよく聞かれる内容で『建築士の一級と二級は一級建築士の方が優秀なんですか?』というお話がよく聞かれますので簡単ですが建築士についてご説明したいと思います。

建築士とは?

まず建築士とは何者なのか?について
建築士は簡単に説明すると【建物の設計と工事監理を行う職業の資格】を有した人のことを言います。
建築士とはなに?と聞かれたざっくりというとこういう人間です。笑
とは言ってもこれだけじゃ良くわからないと思うのでも少し掘り下げたいと思います。

建築士のお仕事

建築士の仕事は前述したとおり建物の設計をして工事監理を行うことがメインになります。

建物の設計とは?
建物の設計は大きく2種類に分類され一つ目が基本設計、次に実施設計となります。

基本設計とは造る建物の方向性やデザインの大枠を考えることを言います。
身近な家づくりでいうと家の間取りを考えたり、敷地に対してどこに建てるか考えたり、家の形を考えたり、家の使い方を考えたり建物を造るうえでの根幹部分をおこないます。
ここで建物の快適性やデザイン性、耐震性等の7割が決まってしまうほどの大事な設計になっています。
ここで曖昧な設計をしてしまうと、記述する実施設計時に想定外のプラン変更が起きてしまったり、完成後思っていた物違う家が出来てしまったりしてしまいます。
多くのハウスメーカーではここは建築士ではなく営業担当の方が担っている場合も多く家づくりで失敗してしまったなとブログが多くありますがお話を聞いてみるとだいたいがこの基本設計が十分にできていなかったケースが非常に多かったです。

実施設計はあまり馴染みのない言葉ではありますが要は建物のを建てる為に考えた基本設計を家が作れるように工事用の図面を作る事を言います。
柱の記載された平面図等の図面を作ったり、建て主さんで一番身近な物だと内装打合せも実施設計に含まれていると考えていいでしょう。このように打合せで使う内装を決めたり、考えていた性能やデザイン通りに建物を建ててもらうために工事現場担当に伝えるための図面作成が実施設計なのです。

工事監理とは?
非常にややこしいのですが建築の世界には『こうじかんり』という読み方の言葉が2種類あります。
工事監理と工事管理です。
この言葉の差は設計事務所と建設会社の間で生まれます。

工事管理とは建設会社から派遣されている現場監督が工事の進捗や材料の発注状況、職人さんの段取り等工事現場がスムーズに進めるために管理することを言います。

工事監理とは設計事務所がおこなった実施設計図の通りに現場が進捗しているのか、法令通りの作り方をしているのか等建て主の要望通りに工事が行われているかの確認をすることを言います。専門知識の少ない建て主の代わりに専門性を持って現場を見に行ってくれる事と理解してもらえれば間違いないですね。

ハウスメーカーや工務店で中には同じ会社内で工事監理と工事管理を行っている場合もありますがこの場合、社内の力関係で真っ当な設計監理が行われていない場合もあるので契約前に設計担当者がきちんと現場を見に行ってくれるのか工事監理がどのようにおこなわれるのか確認することをおススメしています。

その他にも工事前の見積りを精査してくれたり、土地の選定をしてくれたり、店舗設計の場合は売り方や経営方針などのアドバイスをおこなう設計事務所もあります。こちらは必ずしも建築士資格が必要な仕事ではありませんが設計事務所の選定をする上では大切な内容なのでお伝えしときます。

長くなりましたが以上が建築士のお仕事になります。
次に本題の建築士の種類についてです。

建築士の種類

建築士には①木造建築士、②二級建築士、③一級建築士の大きく3種類の分類がります。

①木造建築士とは?
国土交通省が管轄する国家資格です。
2階建てまでの木造建築物で、かつ延べ面積が100平方メートル以上300平方メートル以内の建築物の設計や、工事管理を行うことができる資格。

②二級建築士とは?
国土交通省が管轄する国家資格です。
木造および鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造、無筋コンクリート造の建物の設計が可能です。木造建築の場合は高さが13メートル又は軒の高さが9メートルを超えないもの、 木造以外の鉄筋、鉄骨造などの場合は延べ面積が30平方メートル~300平方メートル、高さが13メートル又は軒の高さが9メートルまでの建物の設計をできるようになります。

①一級建築士とは?
国土交通省が管轄する国家資格です。
二級建築士の担う建築規模以上の建築物を制限なく設計をすることができます。
一級建築士の中には構造を専門とした構造一級建築士や設備を専門とした設備一級建築士とさらに専門性を高めた資格がある事も特徴です。

要するに建物の規模に応じて必要とする資格が違うのです。
よくあるのが二級建築士より一級建築士の人の方が優秀なんでしょ?という言葉です。
これは正解であり不正解です。
各資格が担える規模の範囲であればどの資格でも間違いなく専門知識を有して業務をおこなうことができるからです。
とは言っても一級建築士が担う範囲はとても広大で資格試験の範囲もとても広いです。その勉強の果ての資格なので優秀である事は間違いありません。

最後に

ながながとブログを読んでいただきありがとうございました。
違いについてはなんとなく分かりましたか?

どの建築士の資格にしても規模の範囲内であればみな差はなくまっとうに業務をおこなう事が出来るのでどの設計業務としての優劣で言えばどの資格でも問題ありません。
勉強としての意味なら、膨大な出題範囲と勉強時間の範囲から間違いなく二級建築士より一級建築士の方が優秀だと思います。

どの建築士にお願いしたらいいかな?と感じたらこの記事を読み返して頂いて各資格の中で当てはまりそうな建築士に相談してみてください。

ちなみに有村建築設計工房は二級建築士事務所になり、二級建築士を有しており住宅から小規模商店やリノベーションをメインに取り扱っている設計事務所になります。

どの設計事務所に聞いていいか分からない、このハウスメーカーから提出されたこの間取り大丈夫?、どんな家が自分に合っているか分からない?、店舗用のテナントに専門家として立ち会ってほしい等建築に関するご相談は何でも承ってます。

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