
家づくりをする人の約8割は家づくりを失敗したと後悔して「できるならもう一度家を建てたい」「やり直したい」と考えているという調査結果があります。
建築業界では「家は3回建てないと、理想の家はできない」なんて言葉もありこれは一般の方でも聞いたことがあるのではないでしょうか?
そんな中で最初の1回目の家づくりから成功している人達もいます。
なぜ、その人達は家づくりがうまくいったのでしょうか?
家づくりを失敗した人とうまくいった人の差はなんだったのでしょうか?
家づくりが成功す人の特徴
早速ですがいきなり確信から触れたいと思います。
家づくりが成功する人とはズバリ!!!!
【自分の理想や希望がはっきりしている人】
です。
こんなことを言うと家づくりを失敗したと感じている人からは「自分たちも希望や要望をちゃんと伝えたのに失敗した!!!」と言われそうですね。
もちろんそうだと思います。
おそらく様々な要望を伝えて頑張って家を計画したからこそ出来た家に対して後悔した部分があったのだと思います。
しかし、ここで伝える「自分の理想や希望がはっきりしている人」は少し違います。
ここでいう理想や希望は20畳以上の広々したリビング!や家を見渡せる開放感のあるキッチン!とかそういう話ではありません。
もっと家づくりをしたいと思った人たちの心の奥底にある「願い」や「希望」「夢」などのことを言います。
あなたはなぜ家を建てようと考えたのでしょうか?
最先端の家が欲しかったからですか?地震に強い家が欲しかったからですか?広い家が欲しかったからですか?
おそらくほとんどの方の心の底に眠っている思いはどれもこれには当てはまらないと思います。
もちろん理想は人それぞれで願いも十人十色です。
しかし、これだけは絶対に共通しています。
家族が幸せになれる家が欲しい
これが家を建てたい本質だと僕は思っています。
有村建築設計工房ではこれを「家族と過ごせる憩いの場」と呼んでいてそのためにはどうしたらいいかをお施主さんと考えることをしています。
幸せになれる方法は人それぞれだし、絶対に同じことなんてありません。
ここを明確にできている人こそ最初にお伝えした家づくりが成功する人の特徴である、
【自分の理想や希望がはっきりしている人】
なんです。
自分の理想や希望がはっきりしたら家づくりは失敗しないのか?
では、「自分の理想や希望」をはっきりさせれば家づくりは失敗しないのかというと残念ならがそうではありません。
自分の理想や希望がはっきりさせることは家づくりをしたい人側の最低限やっておいたほうがいいことになります。
家づくりは自分たちだけでできることではありません。
家づくりはお施主さん、設計者、施工者のチーム戦でこのチームがうまく機能しないとできないからです。
例えばこんなことがありました。
僕がまだハウスメーカーにいたころの話です。
あるお客さんの担当になるように指示され30代前半のご夫婦の家づくりのお手伝いをさせて頂くことになりました。
その方は残念ながら社内でクレーマーと呼ばれていて、契約後半年たつのになかなかプランを確定することが出来ず、担当者を変えること僕で四人目だったのです。
契約当初その方は営業マンの人柄と最初の設計者の豊富な知識にひかれて契約をしたと聞いています。
営業マンは会社でも1、2を争う敏腕営業マンで設計者は何度か社内表彰もされている設計部のリーダーでした。
そのお客さんはそのハウスメーカーの中で考えうる限り一番いい組み合わせの担当者だったのです。
打合せは当初順調におこなわれていました。
出てきたプランをお客さんに提案する前に見せてもらったのですが、デザインと性能、耐震性共に申し分ない素晴らしいプランだったと今でも覚えています。
しかし、お客さんの回答はNOでした。
つまりやり直しです。
その後、最初のプランも含めて4度の提案をしましたがすべて却下され
最終的にお客さんから「自分たちの要望が通らないなら担当を変えてくれ」という事でした。
その後、僕の前に2人の先輩設計者が担当しましたがその方たちも担当を変えるよう言われベテランから順番に担当を変えられていたので当時は「いよいよ自分の番になってしまった」と失礼ながら考えてしまいました。
いざお客さんに会いお話をするとその考えは払しょくされました。
なぜ、前任のプランがダメだったのか、お客さんの話しをたくさん聞きました。
そして、社内とお客さんの意見に大きな食い違いがあったのに気づきました。
お客さんの要望は
日に照らされた明るい家で家族の存在感を互いに感じれるのびのびできることでした。
会社が捉えていた要望
広い家、日が入るように吹抜け必須、子供部屋2部屋4.5畳以上、リビングと各寝室は廊下を使わずに隣接など
会社の要望がほんとはもっとあったと思いますが大枠はこんな感じでした。
さて、一見してお客さんの要望に当たっているように見えますがここには大きな隔たりがありました。
何が大きな隔たりだったのかというとお客さんは家に対しての理想と希望を語られていましが、会社はそれを要望とはとらえずに会社側の考えでヒアリングした内容を元にしていたのです。
そして、ヒアリングを元にして会社の設計者は自分が設計したい家をプランしていたのでした。
お客さんには明確な理想があります。
そんな中で自分の理想ではない内容のプランを出されたらもちろん理想の家が作れるわけが無かったのです。
その後、それを報告してチーム一丸となってプランを作成してその方の家は無事完成して奥さんからは泣きながら喜んでいただけました。
この話で何が言いたいのかというと、自分たちの理想があってもそれを読み取る技術のある専門家でないと結局家づくりで成功することができなという事なのです。
このお客さんは自分の理想をしっかりしていたのでそのまま計画が進むことはありませんでしたが、もしこれが理想を明確にしていないお客さんでしたらどうだったでしょうか?
おそらくそのまま家づくりが進んで完成した後に「できるならもう一度家を建てたい」「やり直したい」と思っていると思います。
理想の家は専門家では絶対に答えを出すことができません。
しかし、専門家はあなたの理想に応えることができます。
家づくりで成功する鍵はあなたの中に眠っているのです。
家づくりを考え始めたからこそ慌てて動くのではなくまずはじっくりと家族で自分たちの本当の理想の家について話し合ってみてください。
その先にきっと素晴らしい理想の住まいが待っていると思います。